
古事記 序文(前編)
臣下の安万侶が申し上げます。
宇宙の始まりは混沌としていて、ハッキリとしていませんでした。そこに世界を成す根元が固まってきたのですが、まだまだ名づけようもない状態でした。しかし天と地が別れるとアメノミナカヌシ神・タカミムスビ神・カミムスビ神が産まれて世界が始まりました。次に陰と陽が別れるとイザナギ・イザナミが産まれて万物を生みだす祖神となりました。
イザナギは黄泉よみの国(死者の国)へ訪れて帰ってくると、そのケガレを落とすために禊みそぎをしました。 目を洗うと日と月の神が産まれ、海水に浮き沈みして洗うと多くの神が産まれました。
天の岩戸の神事で榊さかきに鏡をかけたり、スサノオが誓約うけいで玉を砕いて神を生んだりして、代々天皇が続くことになります。またアマテラスが誓約うけいで剣を砕いて、スサノオが地上に降りてヤマタノオロチを退治して以降は多くの神々が繁栄した。