神話

古事記

古事記 中巻1

イワレビコ命(神倭伊波礼毘古命かむやまといわれびこのみこと=神武天皇)は、兄のイツセ命(五瀬命)と高千穂宮におりました。ある日のこと「どこの国ならば、平安に天下を統治できるだろうか?もっと東に行ったほうが良いだろう」と、神武天皇とイツセ命は日向から出発して筑紫に行きました。筑紫の豊国とよのくにの宇沙うさに着いたとき、宇沙の住民であるウサツヒコ(宇沙都比古)・ウサツヒメ(宇沙都比売)が足一騰宮あしひとつあがりのみやを建造し、大饗宴を開いてお迎えしました。
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古事記 上巻 終

山幸彦は、そもそも兄・海幸彦の釣り針を探しに来たということを思い出し、未だ見つからないことに大きなため息をしました。元気のない様子を見ていた妻のトヨタマヒメが、大きなため息を聞いて心配になり、父・ワタツミ神に相談します。 「夫は、この生活を三年過ごしましたが、今までため息などしていませんでした。でも、今夜大きな溜息をしました。もしかして何か理由があるのでしょうか?」娘が不安になっていることを不憫に思い、婿の山幸彦を呼び寄せて話をし始めました。 「急に来てもらってすまんな。先ほど、娘から『三年いてもため息することもなかったのに、今夜大きな溜息をしました』と相談されたんだが、何か訳でもあるのではないか? そもそも、ここ(海の宮)に来た理由を教えてくまいか?」
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古事記 上巻16

ホデリ命(火照命)は海幸彦うみさちひことなり、大きい魚や小さな魚を、漁をすることを生業としていました。ホオデリ命(火遠理命)は山幸彦やまさちひことなり、毛の粗い動物や、毛の柔らかい動物を、狩りをすることを生業にしていました。山幸彦は、兄の海幸彦に「お兄、試しにそれぞれの道具を互いに交換してみようよ。たぶん楽しいよ。」と言いました。けれども、弟の山幸彦のお願いを、兄の海幸彦は許しませんでした。山幸彦は何度もねだり続け、根負けしたかたちで、やっとのことで交換することが出来ました。
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古事記 上巻15

ようやく国譲りが整ったので、天つ神達はニニギ命に降臨するよう命じました。ニニギ命は、高天原での地位を離れました。そして、幾重にもたなびく雲をもの凄い力で押し分けて、行く道を掻き分け、高天原の天浮橋から浮島に降り立ち、筑紫の日向の高千穂の降臨しました。高千穂の降り立つと、アメノオシヒ命(天忍日命)とアマツクメ命(天津久米命)の二人が控えていました。二人は、きらびやかに輝く強力な弓矢と柄の大きな太刀を身につけ、ニニギ命の前に立って仕えることを誓いました。
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古事記 上巻14

国つ神たちとの交渉を終え、再びアマテラスとタカギ神(=タカミムスビ)は、息子のアメノオシホミミ神(太子正勝吾勝勝速日天忍穂耳命)に命を与えました。「今、葦原中国(日本のこと)を平定したと報告がありました。以前にも命じたとおりに、地上に降りて国を統治しなさい」と言いました。ところが、アメノオシホミミ命は、以前とは事情が変わってしまったことを告げます。「私は、いつでも地上に降りられるよう支度を整えていたのですが、下命を待っている間に子供(アマテラスの孫=天孫)が生まれてしましました。名前は、ホノニニギ命(天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命)と申します。私ではなく、この子を地上に使わすと良いでしょう。」
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古事記 上巻13

アマテラスは言いました。「次は、どの神を派遣したらいい?」。するとオモイカネと諸神が相談した結果、「天安河の上流の石戸にいる、イツノオハバリ(伊都之尾羽張神)を派遣するべきです。もし、この神が行けないのなら、その子供のタケミカヅチノオ(建御雷之男神)が適任です。しかし…オハバリは天安河を塞き止めて、水を逆流させて道をふさいでいるので、アメノカク(天迦久神)を派遣して、依頼しましょう。」と言いました。
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古事記 上巻12

アマテラスは命じました。 「あの国は(豊葦原之千秋長五百秋之水穂国とよあしはらのちあきのながいほあきのみずほのくに=日本)は、わたしの子であるオシホミミ(正勝吾勝勝速日天忍穂耳命まさかあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと)が統治すれば、より良くなるであろう。」と言い、オシホミミは高天原から降りることになりました。
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古事記 上巻11

<!-- wp:paragraph --> <p>ダイコク様は出雲の美保岬(島根県松江市)にいた時のことでした。</p> <!-- /wp:paragraph --> <!-- wp:paragraph --> <p>ガガイモの実で出来た小さな船が、上手に波を乗りながら向かってきました。よく見ると、その船に乗っているのは、蛾の皮で作った服を着ている小さな神がいました。</p> <!-- /wp:paragraph --> <!-- wp:paragraph --> <p>突然やってきたその小さな神に、何度も名前を尋ねましたが答えませんでした。</p> <!-- /wp:paragraph --> <!-- wp:paragraph --> <p>そこで周りにいる諸々の神に知っているか聞きますが、誰も知りませんでした。</p> <!-- /wp:paragraph --> <!-- wp:paragraph --> <p>これには困ってしまい、ためしにヒキガエル(<ruby>多邇具久<rt>たにぐく</rt></ruby>)に聞くと、「これは<ruby>案山子<rt>かかし</rt></ruby>のクエビコ(<ruby>久延毘古<rt>くえびこ</rt></ruby>)が知っているでしょう」と言いました。</p> <!-- /wp:paragraph -->
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古事記 上巻10

ダイコク様が根の国から戻ってくると、八十神たちは再び襲いかかりました。しかし、スサノオから譲り受けた太刀と弓が大いに威力を発揮し、スサノオの言うとおりに八十神たちを崖に追いやり、川に追い込みまして、政権交代をいたしました。しかし、スサノオから譲り受けた太刀と弓が大いに威力を発揮し、スサノオの言うとおりに八十神たちを崖に追いやり、川に追い込みまして、政権交代をいたしました。
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古事記 上巻9

根の国のスサノオの御殿に着きますと、娘のスセリヒメ(須勢理毘売)が出迎えてくれました。スセリヒメは、ダイコク様の姿を一目見た時、互いに目があって、若い二人は一目惚れをし、そのまま結婚の約束をしてしまいました。スセリヒメは御殿に急ぎ戻り、父のスサノオに「素敵な方がいらっしゃいました」と言いましたスサノオは御殿を出て見て、「あれは葦原色許男あしはらのしこお(ダイコク様のこと)だ。」と言いうと、ダイコク様を御殿に呼び入れ、蛇がたくさんいる部屋に一晩寝かせました。
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